平成22年8月18日
岡田 隆志 様
東京書籍株式会社 編集局
社会編集部長
渡辺能理夫
ご質問をいただきました件につきまして
謹啓
酷暑の候、岡田様に置かれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
昨年10月以来、何度か頂戴しております「南京事件」の記述に関するご質問に対して、編集部といてお答えできる範囲でご回答させていただいてまいりました。お手紙を拝読いたしますと、「国際的に非難された・・」という記述に関して、岡田様のお考えになる「国際的な非難」と教科書で記述されている「国際的な非難」には乖離があるように思われます。編集担当がこれまでにお答えしたとおり、教科書では、参考資料として掲げさせていただいた『南京事件資料集』に収録されているように、欧米メディアが南京事件について報道し、こうした報道によって国際社会の非難が起こったという点について記述しております。
また、詳細なご質問をいただいておりますが、教科書の編集部は、特定の歴史事象や事件について専門的に研究している訳ではございませんので、逐一お答えすることはできないことをご理解いただきたく存じます。
重ねての回答のご要望ですので、以下、「質問1~9」につきまして、これまでの回答を再録させていただきます。 「要望事項1」につきましては、以下の質問1~9に対する回答をご参照ください。
質問1:手元に資料が無く、お答えできません。
質問2:手元に資料が無く、お答えできません。
質問3:手元に資料が無く、お答えできません。
質問4:手元に資料が無く、お答えできません。
質問5:『南京事件資料集 1 アメリカ関係資料編』には、アメリカ人の中国援助団体の機関紙「チャイナ・トゥディ」(「American friend of Chinese people というアメリカ人の中国援助団体の機関紙」)の記事が掲載されております。
質問6・7・8:
◆「南京における大虐殺行為と蛮行によって、日本軍は南京の中国市民及び外国人から尊敬と信頼を受ける乏しい機会を失ってしまった。」
(ニューヨーク・タイムズ、1937年12月18日号掲載記事、洞富雄編『日中戦争 南京大虐殺事件資料集 第2巻 英文資料編』青木書店1985 東京 p.280)
◆ 「日本軍の略奪と暴行 『マンチェスター・ガーディアン・ウィークリー』の上海特派員は、ここ久しく日本軍の南京虐殺に関する記事を、軍の検閲により差し止めされていた。記者がこのことについて抗議すると、記事は「誇張がすぎる」、「真実を述べていない」と片づけられた。ところが、南京の情報が直接入手されるようになった今、日本軍のテロ行為を詳しく明らかにすることが可能となった。」
(マンチェスター・ガーディアン・ウィークリー、1938年2月11日号掲載記事、南京事件調査研究会編訳『南京事件資料集 1 アメリカ関係資料編』青木書店1992 東京 p.524)
上記、ニューヨーク・タイムズとマンチェスター・ガーディアン・ウィークリー以外では、『南京事件資料集 1 アメリカ関係資料編』に、「新聞に報道された南京事件」としてまとめられております。シカゴ・デイリー・ニューズなどの新聞や、ライフなど雑誌の報道がまとめられておりますので、ご参照いただけば幸いです。
【参考資料】
[資料集]
◆ 洞富雄編『日中戦争 南京大虐殺事件資料集』全2巻(極東国際軍事裁判関係資料編・英文資料編)青木書店 1985 東京
◆ 南京戦史編集委員会編『南京戦史』(南京戦史・南京戦史資料集)偕行社1989東京
◆ 南京事件調査研究会編訳『南京事件資料集』全2巻(アメリカ関係資料編・中国資料編)青木書店 1992年 東京
質問9:「手紙の公開」につきましては、回答の内容が不特定多数の方に流布した場合、その後どのような形で伝えられるか予測しがたいものがありますので、控えていただきたく存じます。
以上、簡単ではございますが、ご質問につきまして回答させていただきます。
これまでのお答えの繰り返しになりますが、ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
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